知識ガイド
ファクタリングのノンリコースと
ウィズリコースの違いを解説
ファクタリングの「ノンリコース(償還請求権なし)」と「ウィズリコース(償還請求権あり)」の違いを分かりやすく解説。安全な取引のために知っておくべきポイントをまとめます。
ノンリコースとウィズリコースとは
ファクタリングには「ノンリコース(Non-Recourse)」と「ウィズリコース(With Recourse)」の2つのタイプがあります。この違いは、売掛先が支払えなくなった場合のリスクを誰が負うかという点にあります。
ノンリコース(償還請求権なし)
売掛先が倒産・破産しても、利用者に買い戻し義務がありません。未回収リスクはファクタリング会社が負担します。法律上は「債権譲渡」(売掛金の売買)に該当し、正当なファクタリングの形態です。
ウィズリコース(償還請求権あり)
売掛先が支払えない場合、利用者がファクタリング会社に売掛金を買い戻す義務があります。利用者がリスクを負うため手数料は安いですが、金融庁が「実質的な貸付け」と判断する可能性があります。
比較表で違いを確認
ノンリコースとウィズリコースの主な違いを一覧表で確認しましょう。
| 比較項目 | ノンリコース | ウィズリコース |
|---|---|---|
| 償還請求権 | なし(売掛先が倒産してもリスクはファクタリング会社が負担) | あり(売掛先が支払えない場合、利用者が買い戻す義務あり) |
| 手数料 | やや高め(5%〜18%程度) | 低め(1%〜10%程度) |
| リスク負担 | ファクタリング会社 | 利用者 |
| 法的性質 | 売掛金の売買(債権譲渡) | 実質的に貸金業に該当する可能性あり |
| 会計処理 | 売掛金の売却として処理(負債にならない) | 借入金として処理される場合あり |
| 審査基準 | 売掛先の信用力を重視 | 利用者の信用力も重視 |
ノンリコースのメリット
ノンリコースファクタリングが利用者にとって有利な理由を解説します。
売掛先の倒産リスクから解放される
ノンリコースの最大のメリットは、売掛先が倒産・破産しても利用者に買い戻し義務がないことです。売掛金の未回収リスクがファクタリング会社に移転するため、安心して資金調達できます。
借入れにならないため負債が増えない
ノンリコースファクタリングは売掛金の売買であり、法律上の貸付ではありません。そのため貸借対照表上の負債が増えず、銀行融資の審査にも影響しません。オフバランス化のメリットがあります。
信用情報に記録されない
借入れではないため、CICやJICCなどの信用情報機関に記録されません。将来の融資審査に影響しないという大きなメリットがあります。
合法なファクタリング
ノンリコースファクタリングは民法466条に基づく「債権譲渡」として法的に明確な取引です。金融庁もこの形態を正当なファクタリングとして認めています。
ウィズリコースのリスク
ウィズリコースファクタリングに潜むリスクを理解しておきましょう。
実質的な貸金業に該当するリスク
ウィズリコース(償還請求権あり)のファクタリングは、金融庁が「実質的に貸付けと同じ」と判断する可能性があります。貸金業登録なしで行うと違法な貸金業に該当するリスクがあります。
売掛先の倒産時に買い戻し義務が発生
売掛先が倒産や破産した場合、利用者がファクタリング会社に売掛金を買い戻す義務があります。既に資金を使ってしまった後に買い戻しを求められると、深刻な資金繰り問題に発展します。
借入れとして会計処理される可能性
償還請求権があるファクタリングは、会計上「金融取引」(借入れ)として処理される場合があります。その場合、負債として計上されるため、財務指標が悪化する可能性があります。
実務上の違いと影響
ノンリコースとウィズリコースの違いが実務にどう影響するかを具体的に見てみましょう。
会計処理の違い
ノンリコースの場合、売掛金は「売却」として処理されます。仕訳は「売上債権売却損(手数料分)」を費用計上し、売掛金を帳簿から除外します。貸借対照表上の負債は増えません。 一方、ウィズリコースの場合は、会計上「金融取引」(借入れ)として処理される可能性があります。この場合、受取額は「借入金」として負債に計上され、売掛金は帳簿に残ります。
税務処理の違い
ノンリコースのファクタリング手数料は「売上債権売却損」として損金算入が可能です。消費税は非課税取引に該当します。ウィズリコースの場合は「支払利息」として処理される場合があり、税務上の取り扱いが異なる可能性があります。顧問税理士に確認しましょう。
銀行融資への影響
ノンリコースの場合、負債にならないため銀行融資の審査に直接的な影響はありません。しかし、ウィズリコースの場合は借入金として扱われる可能性があり、債務超過や返済負担率の悪化により融資審査にマイナスの影響が出ることがあります。
売掛先の倒産時の対応
ノンリコースでは、売掛先が倒産しても利用者に影響はありません。損失はファクタリング会社が負担します。ウィズリコースでは、売掛先が倒産した場合に利用者がファクタリング会社に対して売掛金相当額を返還する義務があります。この返還義務は利用者にとって大きなリスクです。
ケーススタディ:ノンリコースとウィズリコースの違いが出る場面
ケース:売掛先が支払い遅延した場合
ノンリコースの場合
売掛先の支払い遅延はファクタリング会社の問題です。利用者は既に資金を受け取っており、追加の負担は一切ありません。安心してビジネスに集中できます。
ウィズリコースの場合
売掛先が支払い遅延すると、ファクタリング会社から利用者に対して遅延損害金や買い戻しを求められる可能性があります。最悪の場合、二重の資金負担が発生します。
ケース:売掛先が倒産した場合
ノンリコースの場合
売掛先の倒産リスクはファクタリング会社が負担。利用者への影響はゼロです。ファクタリングの最大のメリットであるリスク移転が機能します。
ウィズリコースの場合
利用者がファクタリング会社に対して売掛金全額を返還する義務が発生。既に使ってしまった資金を返す必要があり、自社の倒産にもつながりかねない深刻な事態です。
契約時の確認ポイント
ファクタリング契約を結ぶ際に必ず確認すべきポイントをまとめます。
「償還請求権」の有無を明確に確認
契約書に「償還請求権なし」「ノンリコース」と明記されているか確認しましょう。曖昧な表現や、「原則として」「やむを得ない場合を除き」などの但し書きがある場合は、実質的にウィズリコースの可能性があります。
「買い戻し条項」がないか確認
契約書に「売掛先の支払い不能時に買い戻しを求める」条項がないか確認しましょう。このような条項があるとウィズリコースです。正規のファクタリング会社では、売掛先の未払いリスクを会社側が負います。
手数料以外の費用を確認
ノンリコースを謳っていても、実質的に手数料以外の名目(遅延損害金・事務手数料・違約金など)で追加請求される場合は注意が必要です。総コストを事前に明確にし、契約書で確認しましょう。
会社の信頼性を確認
会社の所在地・代表者・設立年月日・登録番号(経済産業大臣認定など)を確認しましょう。実績のある大手ファクタリング会社は基本的にノンリコースで運営しており、安心して利用できます。
まとめ:ノンリコースを選ぶべき理由
ファクタリングを利用する際は、必ずノンリコース(償還請求権なし)を選びましょう。ノンリコースは法的に「債権譲渡」として明確であり、売掛先の倒産リスクから利用者を守ります。手数料はウィズリコースより高めですが、リスク回避のコストとして合理的です。ウィズリコースを提案する会社は、実質的な貸金業に該当する可能性があるため注意が必要です。
よくある質問
ノンリコースとウィズリコースのどちらを選ぶべきですか?▼
日本のファクタリング会社はどちらが主流ですか?▼
ウィズリコースのファクタリングは違法ですか?▼
ノンリコースの手数料が高いのはなぜですか?▼
契約書でノンリコースかどうか確認する方法は?▼
ノンリコースのおすすめファクタリング会社
ノンリコース(償還請求権なし)で運営されている信頼性の高いファクタリング会社を紹介します。
ビートレーディング
累計買取額1,300億円超のノンリコース専門。手数料2%〜。最短2時間入金。高額案件にも上限なし対応。業界最大手級の実績と信頼性で安心して利用可能。
日本中小企業金融サポート機構
経済産業大臣認定の非営利法人。ノンリコース。手数料1.5%〜。認定機関の安心感と低手数料が魅力。2社間・3社間の両方に対応。
QuQuMo(ククモ)
ノンリコース。手数料1%〜の業界最安水準。最短2時間入金。請求書と通帳のみで審査可能。オンライン完結で手続きが簡単。
アクセルファクター
ノンリコース。審査通過率93%以上。手数料2%〜。30万円〜の少額対応。赤字決算でも柔軟対応。年間相談件数15,000件超の実績。
関連記事
ノンリコースファクタリングの利用の流れ
見積もり依頼
売掛金の金額・売掛先・入金予定日を伝え、3社以上に見積もりを依頼。ノンリコースであることを事前に確認。
必要書類の提出
請求書・通帳コピー・身分証明書などをオンラインで提出。会社によって必要書類は異なります。
審査
売掛先の信用力を中心に審査。ノンリコースの場合、ファクタリング会社がリスクを負うため、売掛先の信用力が特に重視されます。
契約書の確認
「償還請求権なし」が明記されていることを確認。買い戻し条項がないか、追加費用がないかもチェック。
契約・入金
ノンリコースの契約を確認して締結。最短即日で指定口座に入金されます。
売掛金回収・送金
入金予定日に売掛先から入金があったら、ファクタリング会社に送金して完了。売掛先が倒産しても利用者に買い戻し義務はありません。
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