活用ガイド
個人間取引でも使えるファクタリング
売掛先が個人の場合の対応策
売掛先が個人事業主や一般消費者でもファクタリングは利用できるのか。課題と対応策を詳しく解説します。
売掛先が個人のファクタリングとは
通常のファクタリングは法人間(BtoB)の売掛金を対象としていますが、フリーランスや個人事業主が個人顧客から受け取る予定の売掛金(個人間取引の売掛金)をファクタリングで資金化したいケースもあります。
結論から言うと、売掛先が個人の場合でもファクタリングは利用可能ですが、対応している会社は限られ、条件も厳しくなるのが実情です。
売掛先の種類別:ファクタリングの利用しやすさ
個人間取引ファクタリングの課題
売掛先が個人の場合にファクタリングが難しくなる理由を解説します。
売掛先の信用力の判定が難しい
ファクタリング審査では売掛先の信用力が重視されますが、個人の信用情報は法人と比べて公開情報が少なく、審査が難しくなります。法人のように帝国データバンクや東京商工リサーチで信用情報を確認できないため、ファクタリング会社は独自の方法で審査を行う必要があります。
売掛金の回収リスクが高い
個人の売掛先は法人と比べて支払い能力の変動が大きく、未回収リスクが高くなります。個人の事業廃業、失業、引越しなどで連絡が取れなくなるケースもあり、ファクタリング会社にとってリスクの高い取引と判断されます。
請求書の信頼性の問題
法人間取引では契約書・注文書・検収書などの取引証拠が整備されていますが、個人間取引ではこうした書類が不十分なケースがあります。請求書だけで取引の実在性を証明しにくく、ファクタリング会社の審査で不利になることがあります。
少額の売掛金が多い
個人相手の取引は1件あたりの金額が小さいことが多く、ファクタリング会社にとっては事務コストに見合わないと判断される場合があります。多くのファクタリング会社は最低買取額を設定しており、少額すぎると利用できないことがあります。
4つの対応策
売掛先が個人の場合でもファクタリングを利用するための対応策を紹介します。
個人事業主の売掛先に対応しているファクタリング会社を選ぶ
すべてのファクタリング会社が個人の売掛先に対応しているわけではありませんが、一部の会社は対応しています。申し込み前に「売掛先が個人でも利用可能か」を必ず確認しましょう。特にフリーランス向けのサービス(ラボル、ペイトナー等)は個人間取引にも柔軟に対応しています。
取引の証拠書類を整備する
契約書、注文書、納品書、検収書、メールのやり取りなど、取引の実在性を証明する書類を整備しておくと審査に通りやすくなります。口頭での取引を文書化し、請求書と合わせて提出することで、ファクタリング会社の審査担当者の信頼を得られます。
3社間ファクタリングを検討する
個人の売掛先の場合、3社間ファクタリング(売掛先の承諾を得る方式)のほうが審査に通りやすくなります。売掛先が取引と支払いの存在を確認してくれるため、ファクタリング会社のリスクが軽減され、手数料も低くなります。
クレジットカード決済を導入する
個人顧客からの支払いをクレジットカード決済に切り替えることで、売掛先がカード会社(法人)になります。カード会社は信用力が極めて高いため、ファクタリング審査が格段に通りやすくなり、手数料も大幅に低くなります。
業種別の活用例
個人顧客が多い業種でのファクタリング活用例を紹介します。
Webデザイナー・プログラマー
個人事業主やスタートアップからの制作依頼が多いWebデザイナーやプログラマーの場合、売掛先が個人事業主になるケースがあります。この場合、契約書・発注書・納品書を整備し、フリーランス向けファクタリングサービス(ラボル・ペイトナー等)を利用することで資金化が可能です。継続的な取引関係がある場合は審査に通りやすくなります。
リフォーム・住宅修繕業
個人宅のリフォームや修繕工事は売掛先が一般消費者(個人)です。この場合、通常のファクタリングは難しいため、クレジットカード決済やローン(リフォームローン)を導入し、カード売上債権をファクタリングする方法が効果的です。工事代金が高額になるため、カード決済の導入メリットは大きいです。
家庭教師・個人塾
家庭教師や個人塾は生徒(保護者)が売掛先となるBtoC取引です。月謝の未回収リスクに対応するためには、銀行引き落としやクレジットカード決済を導入し、回収リスクを軽減する方法が基本です。複数の生徒のカード売上をまとめてファクタリングすることで、まとまった資金を調達できます。
個人間取引の資金調達における代替手段
売掛先が個人でファクタリングが難しい場合に検討すべき代替の資金調達方法を紹介します。
クレジットカード決済の導入
個人顧客からの支払いをカード決済に切り替えれば、売掛先がカード会社(法人)になります。カード売上債権は信用力が高く、ファクタリング審査が格段に通りやすくなります。Square、Airペイ、STORESなどの端末を導入すれば月額費用なしでカード決済を始められます。
ビジネスローン
売掛金に依存しない資金調達方法として、ビジネスローンがあります。ファクタリングと違い売掛先の信用力ではなく自社の信用力で審査されますが、返済義務が発生します。年利5%〜18%程度で、最短即日融資に対応している会社もあります。
日本政策金融公庫の融資
個人事業主でも利用しやすい政府系金融機関の融資です。金利は年利1%〜3%と低く、無担保・無保証人で利用できる制度もあります。審査に2〜3週間かかりますが、コストを抑えたい場合は最適な選択肢です。
前払い制度の導入
個人顧客との取引では、着手金や前金の仕組みを導入することで、売掛金自体の発生を減らすことができます。「着手時50%・完了時50%」などのルールを設けることで、キャッシュフローの改善につながります。
中長期的な改善戦略
個人間取引が多い事業者がファクタリングを活用しやすくするための中長期的な戦略を紹介します。
法人顧客を増やす
法人との取引を積極的に開拓し、売上に占める法人比率を高めましょう。法人の売掛金はファクタリングの審査に通りやすく、手数料も低くなります。
プラットフォーム経由の取引を増やす
クラウドソーシング、ECサイト、デリバリーサービスなどのプラットフォーム経由の取引にすると、売掛先がプラットフォーム運営会社(法人)になり、ファクタリングが利用しやすくなります。
契約書の整備を徹底する
個人間取引でも契約書、注文書、検収書を必ず作成し、取引の実在性を証明できる書類を整備します。ファクタリング審査時に有利に働きます。
取引実績を蓄積する
同じ個人事業主との継続的な取引実績(入金履歴)を蓄積し、通帳コピーで証明できるようにしておくと、ファクタリング審査での評価が上がります。
利用時の注意点
給料ファクタリングは利用しない
「給料ファクタリング」(個人の給与債権を売却するサービス)は、金融庁が「貸金業に該当する」との見解を示しており、無登録で営業している業者は違法です。給料ファクタリングは本記事で紹介しているファクタリングとは全く異なるものであり、利用しないでください。
手数料が高くなることを覚悟する
売掛先が個人の場合、法人の場合と比べて手数料が5〜10%程度高くなることが一般的です。コストに見合うかどうか、事前にシミュレーションしたうえで利用を決断しましょう。
償還請求権の有無を必ず確認する
個人の売掛先は未回収リスクが高いため、ファクタリング会社が償還請求権(売掛先が支払わなかった場合に利用者に返金を求める権利)を設定しているケースがあります。契約前に償還請求権の有無を必ず確認してください。
よくある質問
売掛先が一般消費者(BtoC取引)でもファクタリングは使えますか?▼
売掛先が個人事業主の場合、手数料は高くなりますか?▼
友人や知人への売掛金でもファクタリングは利用できますか?▼
売掛先が個人でも審査に通りやすくするコツはありますか?▼
個人間取引のファクタリングが難しい場合、他の資金調達方法はありますか?▼
対象(法人・個人事業主)で選ぶ
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