比較ガイド
ABL(動産担保融資)vs ファクタリング
違いと使い分けを解説
売掛債権を活用した2つの資金調達方法を比較。コスト・スピード・審査基準の違いから最適な選択肢を見つけましょう。
ABL(動産担保融資)とは
ABL(Asset Based Lending=動産担保融資)は、企業が保有する動産(売掛債権、在庫、機械設備など)を担保にして融資を受ける資金調達方法です。
ABLの担保にできる資産
売掛債権
取引先への売掛金を担保に融資を受ける
在庫
商品・原材料・仕掛品を担保に融資を受ける
機械設備
工作機械・車両・工具を担保に融資を受ける
ファクタリングと同じく売掛債権を活用する点は共通していますが、ABLは「融資」であり、ファクタリングは「売掛債権の売却」であるという根本的な違いがあります。
比較表で見る違い
| 項目 | ABL(動産担保融資) | ファクタリング |
|---|---|---|
| 法的性質 | 融資(金銭消費貸借契約) | 債権の売買(譲渡契約) |
| 担保 | 売掛債権・在庫・設備が担保 | なし(売掛金の売却) |
| 返済義務 | あり(元本+利息の返済) | なし |
| コスト | 年利2%〜8%程度 | 手数料2%〜20%(1回あたり) |
| 資金調達スピード | 2週間〜1ヶ月 | 最短即日〜数日 |
| 信用情報への影響 | あり(借入として記録) | なし |
| 貸借対照表への影響 | 負債が増加 | 負債に計上されない |
| 継続的な資金調達 | 枠内で繰り返し利用可 | 都度契約が必要 |
| 審査基準 | 担保物件の評価+企業の信用力 | 売掛先の信用力 |
ABLのメリット
金利が低い
年利2%〜8%と、ファクタリングの手数料(1回あたり2%〜20%)と比較して長期的なコストが安くなります。
枠内で繰り返し利用可能
融資枠が設定されれば、枠内で何度でも引き出しと返済を繰り返せます。恒常的な資金需要に適しています。
担保の種類が多い
売掛債権だけでなく、在庫、機械設備、車両なども担保にできるため、資金調達の選択肢が広がります。
ファクタリングのメリット
即日資金化が可能
ABLの審査に2週間〜1ヶ月かかるのに対し、ファクタリングは最短即日で入金されます。急ぎの資金需要に最適です。
負債にならない
ファクタリングは借入ではないため、貸借対照表の負債に計上されません。財務バランスを維持したまま資金調達が可能です。
審査が通りやすい
ファクタリングは売掛先の信用力で審査されるため、自社の財務状況が悪くても利用しやすいです。赤字決算や税金滞納でも利用可能な場合があります。
どちらを選ぶべきか
ABLを選ぶべきケース
- ●継続的に資金調達が必要
- ●コストを長期的に抑えたい
- ●在庫や設備も担保にしたい
- ●審査に2週間〜1ヶ月の余裕がある
- ●財務状況が比較的良好
ファクタリングを選ぶべきケース
- ●今すぐ資金が必要(即日〜数日)
- ●借入を増やしたくない
- ●赤字決算・税金滞納がある
- ●単発の資金需要
- ●審査に時間をかけられない
最適な選択は企業の状況によって異なります。急ぎの資金需要にはファクタリング、長期的な資金調達にはABLが適しています。両者は併用も可能なため、異なる売掛債権を使い分けて最適な資金調達ポートフォリオを構築しましょう。
ABLの仕組みを詳しく解説
ABLの具体的な仕組みを理解し、ファクタリングとの違いを明確にしましょう。
担保物件の評価
金融機関が売掛債権、在庫、設備などの動産を評価し、担保として設定可能な価値を算定します。売掛債権の場合は取引先の信用力と回収可能性が評価されます。
融資枠の設定
担保評価額の一定割合(通常60%〜80%)が融資枠として設定されます。例えば売掛債権1,000万円+在庫500万円の場合、融資枠は900万円〜1,200万円程度になります。
動産譲渡登記
担保設定のために動産譲渡登記を行います。登記費用(数万円〜)がかかりますが、担保権の対抗要件を確保するために必要な手続きです。
モニタリング
ABLでは定期的に担保物件の状況をモニタリングします。売掛金の残高報告、在庫の棚卸報告などを金融機関に提出する必要があり、事務負担があります。
コスト比較シミュレーション
売掛金500万円を資金化した場合のABLとファクタリングのコスト比較です。
| 項目 | ABL(年利5%・30日借入) | ファクタリング(手数料8%) |
|---|---|---|
| 調達額 | 5,000,000円 | 4,600,000円 |
| コスト | 20,548円(利息) | 400,000円(手数料) |
| 年間コスト(毎月利用の場合) | 246,575円 | 4,800,000円 |
| 審査期間 | 2週間〜1ヶ月(初回) | 即日〜数日 |
| 総合評価 | 長期的に安い | スピード重視 |
毎月継続的に利用する場合、ABLのコストはファクタリングの約20分の1です。一方、ファクタリングは初回でも即日対応可能なため、急ぎの資金需要ではファクタリングが適しています。
ABLとファクタリングの使い分け具体例
パターン1:ABL+ファクタリングの併用
安定した大口取引先の売掛債権はABLの担保として融資枠を設定し、急ぎの少額案件や新規取引先の売掛金はファクタリングで資金化。それぞれの強みを活かした最適な資金調達ポートフォリオを構築します。
パターン2:ABL審査中のつなぎにファクタリング
ABLの審査に2週間〜1ヶ月かかるため、その間の急ぎの資金需要にはファクタリングで対応。ABLの融資枠が設定された後はABLをメインに切り替え、ファクタリングの利用を減らしてコストを削減します。
パターン3:ABLが利用できない場合のファクタリング
設立間もない企業、赤字決算、税金滞納がある場合はABLの審査に通りにくいです。そのような場合はファクタリング(売掛先の信用力で審査)を活用し、経営改善後にABLへの切り替えを検討します。
よくある質問
ABL(動産担保融資)とは何ですか?▼
ABLとファクタリングはどちらがお得ですか?▼
ABLとファクタリングを併用できますか?▼
ABLの審査はどのくらい時間がかかりますか?▼
どちらが審査に通りやすいですか?▼
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