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基礎知識

売掛債権とは?売却できる?仕組みと資金化の方法をわかりやすく解説

売掛債権の定義から、売掛金・受取手形との違い、譲渡・売却の法的性質、期日前に資金化する方法、会計処理の入口まで。初めての方向けにやさしく解説します。

この記事の結論

  • 売掛債権とは「商品・サービスを提供した後に代金を請求できる権利」のこと。売掛金や受取手形はその代表例
  • 売掛債権は売却できる。法的には民法が認める債権譲渡で、売却による期日前の資金化サービスがファクタリング
  • 売却は借入ではないため負債にならない。会計上は売掛金の減少+手数料を売掛債権売却損として処理する

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売掛債権とは(定義)

売掛債権(うりかけさいけん)とは、商品の販売やサービスの提供を先に行い、その代金を後日受け取ることができる法律上の権利のことです。

企業間の取引では、納品のたびに現金で決済するのではなく、「月末締め・翌月末払い」のように後からまとめて支払う信用取引(掛取引)が一般的です。このとき、納品した側の手元には現金の代わりに「後で代金をもらえる権利」が残ります。これが売掛債権です。

売掛債権はれっきとした資産であり、貸借対照表にも計上されます。そして、不動産や在庫と同じように、譲渡(売却)したり担保に入れたりできる財産でもあります。この性質を使った資金調達が、後述するファクタリングやABLです。

具体例

Webデザイン会社A社が、B社のサイト制作を100万円で受注し、6月30日に納品。支払いは「月末締め・翌月末払い」なので、入金は7月31日。この間、A社は「B社に100万円を請求できる権利」=売掛債権を持っている状態です。

売掛金・受取手形との違い(一覧表)

「売掛債権」と「売掛金」は日常的にはほぼ同じ意味で使われますが、厳密には売掛金=会計上の勘定科目、売掛債権=法律上の権利の呼び方という関係です。売掛債権はより広い概念で、以下のような種類を含みます。

種類内容特徴売掛債権との関係
売掛金請求書ベースの信用取引で代金を受け取る権利最も一般的。支払いサイトは30〜60日程度が多い売掛債権の代表例
受取手形約束手形で支払いを約束された債権満期日まで現金化されない。手形割引で期日前資金化が可能広義の売掛債権に含まれる
電子記録債権(でんさい)電子債権記録機関に電子的に記録された金銭債権手形に代わる決済手段として普及。分割譲渡も可能売掛債権を電子化したもの
工事請負代金債権・診療報酬債権など業種特有の役務提供の対価を受け取る権利建設業の請負代金、医療機関の診療報酬なども債権として譲渡・資金化の対象になる広義の売掛債権の仲間

なお、ファクタリングの文脈で「売掛債権の買取」という場合、通常は請求書ベースの売掛金を指します。用語の使い分けに迷ったらファクタリング用語集もご活用ください。

売掛債権を資金化する方法

保有する売掛債権を資金に変える方法は、大きく「売る」「担保に借りる」「待って回収する」の3つに整理できます。

1

売却する(ファクタリング)

売掛債権をファクタリング会社に売却し、手数料を差し引いた代金を受け取る方法です。債権の売買なので借入にならず、最短即日での資金化に対応するサービスもあります。売掛先の信用力が審査の中心のため、自社の財務に不安があっても利用できる場合があります。

ファクタリングとは(仕組みの詳細)

2

担保にして借りる(ABL)

売掛債権を担保に金融機関から融資を受ける方法です。債権は手元に残り、低コストで調達できる一方、負債として計上され、審査は自社の信用力が対象になります。審査には数週間かかるのが一般的です。

ファクタリングとABLの違い

3

期日を待って回収する(原則)

資金繰りに余裕があれば、期日どおりの回収が最もコストのかからない方法です。回収を早めたい場合は、請求サイクルの改善や入金サイトの短縮交渉というコストゼロの手段から検討しましょう。

売掛金の回収を早める方法(交渉術)

売却(ファクタリング)を選ぶ場合の手数料の目安は、2社間で8〜18%・3社間で1〜9%(会社により異なる)です。現金化の実践的な手順と選択肢の比較は売掛金を現金化する方法で詳しく解説しています。

売却したときの会計処理(仕訳の入口)

売掛債権を売却した場合の会計処理は、「借入」ではなく「資産の売却」として扱うのが基本です。ポイントは3つあります。

  • 1.売掛金が減り、現金・預金が増える:借入金(負債)は計上されないため、貸借対照表がスリムになる(オフバランス)
  • 2.手数料は「売掛債権売却損」:売却額と額面の差額を費用として計上する
  • 3.債権譲渡は消費税の非課税取引:手数料に消費税は原則かからない

2社間ファクタリングで入金を預かって送金する場合の処理や、決算をまたぐ場合のタイミングなど、具体的な仕訳パターンはファクタリングの会計処理・仕訳で解説しています。自社の状況に応じた最終判断は税理士への確認をおすすめします。

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よくある質問

売掛債権と売掛金はどう違いますか?
売掛金は会計上の勘定科目(資産の名前)で、売掛債権は「代金を請求できる権利」という法律上の呼び方です。日常の実務ではほぼ同じ意味で使われますが、厳密には売掛債権のほうが広い概念で、受取手形や電子記録債権なども含めて指すことがあります。
売掛債権は本当に売却できるのですか?
できます。債権の譲渡は民法で認められており、売掛債権を専門会社に売却して期日前に資金化するサービスがファクタリングです。2020年施行の民法改正により、契約に譲渡制限特約があっても債権譲渡自体は原則有効とされ、より利用しやすくなりました。
売掛債権を売却したら取引先に知られますか?
契約方式によります。利用者とファクタリング会社だけで契約する2社間ファクタリングなら、売掛先への通知・承諾は不要で、取引先に知られずに売却できます。売掛先も契約に加わる3社間ファクタリングでは承諾が必要ですが、その分手数料が低くなる傾向があります。
売掛債権を売却したときの仕訳はどうなりますか?
基本は「売掛金の減少」と「現金・預金の増加」を記帳し、手数料分は「売掛債権売却損」として費用計上します。借入金には計上されないため、負債は増えません。具体的な処理や消費税の扱い(債権譲渡は非課税取引)は、当サイトの会計処理解説記事を参照のうえ、最終的には税理士への確認をおすすめします。
どんな売掛債権でも売却できますか?
いくつか条件があります。一般に、(1)実在する確定した債権であること、(2)支払い期日前であること、(3)二重譲渡や差押えがないことが必要です。支払い期日を過ぎた延滞債権や、これから発生する見込みにすぎない債権は原則買取対象外です。将来の請求分を対象にする注文書ファクタリングなど例外的なサービスもあります。

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