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会計・経理ガイド

ファクタリングの資金繰り表への反映方法経理処理ガイド

ファクタリングを利用した場合の資金繰り表への正しい記載方法を、2社間・3社間別に解説します。

なぜ資金繰り表への反映が重要か

ファクタリングを利用すると資金の流れが通常とは異なるため、資金繰り表に正しく反映しないと以下の問題が発生します。

資金の二重計上:ファクタリングの入金と売掛金の回収を両方計上してしまうと、実際よりも資金が多く見える「過大計上」になります。

手数料コストの見落とし:手数料を支出に計上しないと、利益が実態より多く見えてしまい、経営判断を誤るリスクがあります。

資金ショートの予測が不正確に:正しい反映がないと、将来の資金残高の予測が狂い、予期しない資金ショートにつながります。

反映方法4ステップ

1

ファクタリング入金の記載

ファクタリング会社から買取代金が入金されたタイミングで「その他の収入」または「財務収入」として資金繰り表に記載します。通常の売掛金回収とは区別して記載することで、実態を正確に把握できます。

(例)売掛金100万円を手数料10%でファクタリング → 入金額90万円を「ファクタリング入金」として記載

2

手数料の記載

ファクタリング手数料は「その他の支出」または「財務支出」として記載します。売掛金の額面と実際の入金額の差額が手数料に相当します。

(例)手数料10万円を「ファクタリング手数料」として支出に記載

3

売掛金回収予定の修正

ファクタリングに出した売掛金は、当初の回収予定日の「売掛金回収」から削除します。この修正を忘れると、資金が二重計上されてしまうため注意が必要です。

(例)翌月末に予定していた売掛金100万円の回収を削除

4

2社間の場合:売掛先からの入金と送金を追加

2社間ファクタリングでは、売掛先からの入金(一時預かり)とファクタリング会社への送金を追加で記載します。実際の資金移動を正確に反映するためです。

(例)売掛先から100万円入金 → ファクタリング会社に100万円送金(相殺で資金影響なし)

資金繰り表の記載例

売掛金100万円を手数料10%(10万円)で3社間ファクタリングした場合の資金繰り表の記載例です。

項目ファクタリング利用前ファクタリング利用後
売掛金回収(当月末予定)1,000,000円0円(削除)
ファクタリング入金-900,000円
ファクタリング手数料--100,000円
資金への影響+1,000,000円+900,000円

入金タイミングが前倒しになる代わりに、手数料分(10万円)だけ総収入が減少します。このトレードオフを理解したうえで資金計画を立てましょう。

キャッシュフロー計算書との違い

項目資金繰り表キャッシュフロー計算書
目的将来の資金予測(計画)過去の資金の流れ(実績)
時間軸未来(1ヶ月〜1年先)過去(前期・前月)
ファクタリングの記載区分その他の収入/支出営業活動CF or 財務活動CF

2社間・3社間別の資金繰り表への反映の違い

2社間と3社間ファクタリングでは、資金の流れが異なるため資金繰り表への反映方法も異なります。

3社間ファクタリングの場合

  • ファクタリング入金:90万円を「その他の収入」に記載
  • 手数料:10万円を「その他の支出」に記載
  • 売掛金回収予定:100万円を削除
  • 売掛先からの送金:なし(直接ファクタリング会社に支払い)

3社間では売掛先が直接ファクタリング会社に支払うため、利用者の資金繰り表には売掛先からの入金・送金は記載しません。

2社間ファクタリングの場合

  • ファクタリング入金:90万円を「その他の収入」に記載
  • 手数料:10万円を「その他の支出」に記載
  • 売掛金回収予定:100万円を「一時預かり」として記載
  • ファクタリング会社への送金:100万円を「その他の支出」に記載

2社間では売掛先からの入金が一旦利用者の口座に入るため、その入金と送金の両方を資金繰り表に記載する必要があります。

資金繰り表のテンプレート(ファクタリング対応版)

ファクタリングの入出金を反映した資金繰り表のテンプレート構成を紹介します。ExcelやGoogleスプレッドシートで作成できます。

推奨する項目構成

【営業収入】

- 売掛金回収(通常分)

- 現金売上

【その他の収入(財務)】

- ファクタリング入金

- 借入金入金

【営業支出】

- 仕入代金支払い

- 人件費

- その他経費

【その他の支出(財務)】

- ファクタリング手数料

- ファクタリング会社への送金(2社間の場合)

- 借入金返済

【月末残高】

- 前月繰越 + 収入合計 - 支出合計

ファクタリング関連の入出金を営業収支と分けて記載することで、本業の資金繰り状況とファクタリングの影響を明確に区別できます。

資金繰り改善のコツ

シナリオ分析を行う

ファクタリング利用あり・なしの2パターンで資金繰り表を作成し、手数料コストと資金確保のメリットを比較しましょう。

手数料の年間コストを可視化

月次のファクタリング手数料を累計で管理し、年間コストが利益を圧迫していないかをモニタリングします。

恒常的な利用の原因を分析

毎月ファクタリングが必要な場合、入金サイトの交渉、経費削減、売上拡大など根本的な改善策を検討します。

複数の資金調達手段を比較

ファクタリング以外にも銀行融資やビジネスローンのコストと比較し、最もコストパフォーマンスの高い手段を選びます。

よくある質問

ファクタリングの入金は資金繰り表のどこに記載しますか?
ファクタリングの入金は「営業収入」ではなく「その他の収入」または「財務収入」に記載するのが一般的です。通常の売掛金回収と区別することで、営業活動による資金の動きを正確に把握できます。ただし、企業の会計方針によっては「売掛金回収」に含める場合もあります。
資金繰り表とキャッシュフロー計算書は何が違いますか?
資金繰り表は将来の資金の入出金を予測する「計画表」であり、キャッシュフロー計算書は過去の資金の流れを記録する「実績表」です。資金繰り表はファクタリングの利用を事前に計画に組み込むために使い、キャッシュフロー計算書は実際に利用した結果を記録するために使います。
ファクタリングを利用すると資金繰り表上の資金が増えますか?
短期的にはファクタリングの入金で資金が増えますが、当初予定していた売掛金の回収がなくなるため、トータルでは手数料分だけ資金が減少します。資金繰り表には入金の増加と売掛金回収の削除を両方反映し、手数料コストを含めた正確な資金計画を立てることが重要です。
毎月ファクタリングを利用する場合、資金繰り表はどう管理しますか?
毎月利用する場合は、資金繰り表にファクタリングの入出金を毎月の定例項目として組み込みましょう。手数料の累計コストも月次で管理し、年間の手数料が利益を圧迫していないかをモニタリングすることが重要です。恒常的な利用は根本的な資金繰り改善も並行して検討してください。
ファクタリングの利用を経営判断に活用するには?
資金繰り表にファクタリングの有無を「シナリオ分析」として組み込むと、経営判断に活用できます。「ファクタリングを利用した場合」と「利用しなかった場合」の2パターンを比較し、手数料コストを含めたメリット・デメリットを可視化しましょう。これにより、ファクタリングの利用が経済的合理性を持つかを客観的に判断できます。

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